SATREPSプロジェクト(フィリピンにおける狂犬病排除に向けたワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークモデル構築プロジェクト)
日本は狂犬病対策で著しい成果を上げており、国内の研究機関は、診断、治療、予防に関する多くの知見を有しています。その一方、アジアの諸国をはじめとして,世界中では年間約5万人の方々が狂犬病でなくなっており、特にフィリピンはアジアの中でも深刻な狂犬病流行国です。大分大学医学部微生物学講座(西園研究室)では、基礎・臨床・社会医学的側面から狂犬病に関する研究を行う国内の医学系研究施設で唯一の講座です。
2018年度に地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS; Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development Program)の感染症分野において、西園晃教授の研究プロジェクトが実施されました。このプロジェクトはフィリピンの若手研究者の育成にも配慮した技術移転を通じ、同国のみならず、アジアをはじめとした世界の将来的な狂犬病根絶に向けた感染症制御能力の強化を目指すものです。
このプロジェクトでは、狂犬病に関する日本の知見をフィリピンで活用するために有用性の検証を行い、現地の獣医系検査室と医療施設に普及させることを目的とします。さらに、狂犬病の発生状況を調査・集計・監視を行うサーベイランスのための情報共有システムを構築し、動物の狂犬病対策とヒトの狂犬病発症の予防及び治療に活用していきます。
2021年6月には、WHO(世界保健機関)から依頼を受け、本学医学部微生物学講座(西園研究室)で狂犬病迅速封じ込め策パッケージ(Rabies rapid response kit)の開発を行うこととなりました。このパッケージには、狂犬病対策活動従事者が、狂犬病発生時に何をすべきか簡便にわかりやすく示したマニュアルや、必要な情報にすばやくアクセスできるようにするためのモバイルフォンアプリも含まれます。また、自己学習ツールも開発予定です。
SATREPSの紹介動画です。初期設定が消音になっておりますので音量を上げてご視聴ください。
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