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大分大学医学部山岡教授(大分大学グローカル感染症研究センター 副センター長)の研究チームによる研究論文が、『Nature』(電子版)に 掲載されました

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大分大学医学部山岡教授(大分大学グローカル感染症研究センター 副センター長)の研究チームの研究論文が、10月16日付けの総合学科学学術雑誌『Nature』(電子版)に掲載されました。

これは、山岡教授が、中国の上海免疫感染研究所(SIII)のダニエル・ファルシュ教授、スウェーデンのヨーテボリ大学のカイサ・ソレル教授らと共同研究を行い、人間とその胃の細菌との長い歴史的関係について新たに詳細を明らかにしたことによるものです。責任著者として『Nature』に掲載されるのは、大分大学開学以来初めてのことです。

 

1983年に発見されて以来、ピロリ菌は年間約100万件の胃がんや他の致命的な胃の病気を引き起こす原因として悪名高い存在となりました。
また、この細菌は、我々の先史時代にも多くの胃痛を引き起こしていた可能性があり、過去の山岡教授らの研究によれば、この細菌は10万年以上前から人類の胃に寄生していることがわかっています(Nature 2007)。

本研究では、世界中から収集した約7,000のピロリ菌を含むヘリコバクター属のゲノムを使用して、ピロリ菌が世界に拡散していく状況を調査しました。
その中で、彼らは「ハーディ生態系種」と名付けられた非常に異なるピロリ菌の変種を発見し、この種は何十万年も前に発生し、我々と共に世界中に広がったと提唱しています。
このピロリ菌は、主に肉や魚を食べる人々(肉食の人々)の胃に特化して生息していると考えられています。つまり、我々の胃の中にいる細菌の遺伝的多様性は、祖先が何を食べていたかについての情報を有しています。
今回の発見は、胃がんや胃潰瘍など、胃の病気の原因をさらに詳しく理解し、それに基づく新しい治療法や予防策の開発に貢献することが期待されます。

 

○発表雑誌: 雑誌名 :「Nature」(10月16日)
論文タイトル:An ancient ecospecies of Helicobacter pylori
著者:Elise Tourrette, Roberto C. Torres1, Sarah L. Svensson, Takashi Matsumoto#, Muhammad Miftahussurur, Kartika Afrida Fauzia#, Ricky Indra Alfaray#, Ratha-Korn Vilaichone, Vo Phuoc Tuan#, Helicobacter Genomics Consortium, Difei Wang, Abbas Yadegar, Lisa M. Olsson, Zhemin Zhou, Yoshio Yamaoka#*, Kaisa Thorell & Daniel Falush
*責任著者 #大分大学医学部環境・予防医学講座所属
DOI:10.1038/s41586-024-07991-z

 

○関連リンク
論文URL : https://www.nature.com/articles/s41586-024-07991-z

大分大学プレスリリース:「新発見!胃の細菌が私たちの健康と進化の秘密を握る
~国際学術誌『Nature』に「Helicobacter pylori の古代生態系」が掲載~」
https://www.oita-u.ac.jp/000064082.pdf

 

ヘリコバクターがアフリカから我々の胃の中を旅する(画像提供:SIII)

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