医学科4年生の轟木亮太さんがNTDs対策への拡充に向けた提言を行いました
医学科NTDs Youthの会の代表を務める轟木亮太さん(4年)が、令和5年4月に開催されたグローバルイシュー×Z世代勉強会に参加しました。この勉強会には加藤 勝信厚生労働大臣をはじめ、衆議院議員5名の方々が参加され、轟木さんはそこでNTDs(※1)対策への拡充に向けた提言を行いました。提言は、日本政府がNTDs対策を積極的に行うことで、途上国の人々の命が救われるだけでなく、日本に感染症が流入するリスクを減少できるというもので、1.NTDsの国内認知拡大、2.NTDs教育及び研究の推進、3.日本政府としてNTDs対策への取組の強化、4.NTDsの成功モデルを海外へ輸出するという内容が含まれています。
参加した轟木さんは「議員の皆さんは私たちのように若い世代との対話も重要であると考えていただいており、私たちの提言について1時間ほど質疑応答や意見交換という形で議論させていただきました。」と述べています。
大分大学では、これまでにも特色ある感染症教育・研究を実施してきました。
教育面では、医学部微生物学講座の西園晃教授(兼 グローカル感染症研究センター長)が中心となり、2001年からフィリピンのサンラザロ病院と連携し、日本では見ることのない熱帯・再興感染症をより身近に感じるための感染症教育のインターンシップを実施しています。このプログラムは、学生時代から広く世界に目を向け、既に日本では見られなくなった熱帯感染症をいち早く診断し、治療することのできる能力を身に着けることができるもので、本学の学生のみならず他大学の学生を特別聴講生として受け入れて実施するなど、非常に特色のあるものとなっています。新型コロナウイルス感染症の拡大で一時は中断していましたが、今年度は6月下旬に再開予定です。
研究面ではNTDsの一つである狂犬病に関して、西園晃教授が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と独立行政法人国際協力機構(JICA)からの支援を受け、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)事業をフィリピンにおいて実施しています。NTDsではない感染症についても、ヘリコバクターピロリに関しては、環境・予防医学講座の山岡生教授(兼 グローカル感染症研究センター 副センター長)が、ブータンにおける胃がん撲滅に向けたプロジェクトを同じくSATREPS事業で実施しており、特色ある国際共同研究が実施されています。さらに、令和3年10月にグローカル感染症研究センターを立ち上げ、感染症研究の推進を図っています。
(※1)Neglected Tropical Diseases(顧みられない熱帯病)、WHO(世界保健機関)が「人が制圧しなければならない熱帯病」としている20の疾患のことを指す。